子どもの隠された貧困とスクールソーシャルワーカーの役割

タイトル: 子どもの隠された貧困とスクールソーシャルワーカーの役割
著者: 野尻紀恵
大きさ: 上製・A5判
ページ数: 260頁
定価: 4,950 円(税込)
ISBN: ISBN978-4-909655-50-9
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概要

子どもの貧困は保護者の貧困であり、その保護者も貧困家庭で育った生活歴を持つことも多い。貧困は世代間継承する恐れをはらんでいる。不登校、非行、いじめ、虐待、学力不振など、学校における問題と捉えられている事象の背景に貧困が隠される場合は、子どもたちの行動事象に対して指導するだけでは問題解決には至らない。しかし、スクールソーシャルワーカー(SSWer)が学校に存在すれば、隠された子どもの貧困が学校現場で発見される可能性が高まる。子ども自身を、そして子どもが育つ家庭・学校に対して継続的に支援できれば、その子ども自身が貧困の継承を断ち切り、彼らが自分の生活に向かうことができるのではないか。そのような思いと課題意識を持ち、本書はまとめられている。専攻学生、研究者のみならず、自治体の関係者に必携の1冊である。

目次

序章 理論的枠組みと研究の目的
第1節 研究の理論的枠組み
 1 子どもの貧困克服に向かうために
 2 スクールソーシャルワークの枠組み―マクロ・メゾ・ミクロ
 3 本書の研究枠組み
第2節 研究の目的と本書の構成
 1 研究の目的
 2 本書の構成と研究方法
第3節 研究の背景と課題意識
 1 研究の背景―日本におけるスクールソーシャルワーカーの捉えられ方
 2 課題意識
第4節 本研究で用いる概念の定義と用語の説明
 1 「子どもの貧困」と「貧困の世代間継承」の定義
 2 「子どもの隠された貧困」という概念の説明
 3 使用する用語の説明
第5節 本研究における倫理的配慮

第1章 子どもの貧困
第1節 貧困を概観する
 1 貧困とは
 2 貧困の要因
第2節 貧困の世代間継承
 1 貧困の世代間継承とは
 2 貧困の世代間継承の経路
 3 貧困による子どもへの影響に着目した経路
 4 貧困の文化
第3節 子どもの隠された貧困
 1 子どもの貧困
 2 貧困と子育て環境
 3 貧困家庭で育つ子どもが見せる課題
 4 子どもの貧困による孤立化・困窮化
 5 子どもの貧困と社会的排除
 6 子どもの貧困が隠されていく
第4節 日本における子どもの貧困研究
 1 「教育的救済」と「物質的救済」
 2 大正期における社会的弱者としての貧困
 3 児童の労働禁止と貧困児童保護に関する事項の文部省への移管
 4 篭山京の貧困児調査

第2章 日本におけるスクールソーシャルワーク
第1節 学校と福祉
 1 小川利夫教育福祉論を中心に
 2 社会福祉と教育
 3 教育制度は子どもの貧困に向き合ってきたのか
 4 「子供の貧困対策に関する大綱」と学校
 5 学校における問題の多様化と教育の広がり
 6 学校と地域の連携
第2節 日本におけるスクールソーシャルワークの実践と政策動向
 1 文部科学省のスクールソーシャルワーカー活用事業導入以前
 2 文部科学省のスクールソーシャルワーカー活用事業導入以降
第3節 小括

第3章 茨木市における教育政策とスクールソーシャルワーカー導入
第1節 茨木市(大阪府)の教育政策を検討する理由と目的 
 1 茨木市の概要 
 2 茨木市の学校教育 
 3 茨木市におけるスクールソーシャルワーカーの登場 
 4 茨木市の教育政策を検討する理由と目的 
第2節 茨木市教育委員会の学力観と教育政策―子どもの生活の下支えという視点 
 1 茨木市の教育行政における学力観と取り組みの特徴 
 2 「茨木っこプラン22」作成のプロセス 
 3 「茨木っ子プラン」の展開
第3節 「茨木っ子プラン」におけるスクールソーシャルワーカーの位置付け・雇用
   実績と成果
 1 「茨木っ子プラン」におけるスクールソーシャルワーカーの位置付け
 2 茨木市教育委員会におけるスクールソーシャルワーカー雇用実績        
 3 成果:子どもに育みたい4つの力の指標と経年変化
第4節 茨木市教育委員会が目指す子ども支援
    ―貧困克服を視野に入れたスクールソーシャルワーカー導入
 1 調査と分析の方法
 2 ヒアリングから得られた5つの観点:「茨木っ子プラン」作成のプロセスと
   スクールソーシャルワーカー導入
 3 分析
第5節 考察
 1 教員が行う家庭支援は「何か事が起こってから」
 2 「保護者として」というキーワード
 3 スクールソーシャルワーカーと協働することへの期待
 4 教育政策とスクールソーシャルワーカー

第4章 子どもの隠された貧困を支援するスクールソーシャルワーカーの事例研究
第1節 事例研究の目的
第2節 事例研究の対象
第3節 分析の方法
 1 分析法の選択
 2 分析の視点
 3 分析の実施
 4 分析の記述方法
第4節 事例研究
 1 事例1:遅刻が多く、昼食を持参しなかった中学1年男子の事例
 2 事例2:中学2年夏から不登校を続けていた中学3年男子の事例
 3 事例3:中学2年の秋から不登校になっていた女子の事例
 4 事例4:バイクの窃盗で少年鑑別所に送られた中学2年男子の事例
 5 事例5:不登校傾向で修学旅行には行かないと言った中学3年男子の事例

第5章 子どもの隠された貧困を支援し得るスクールソーシャルワークを目指して
第1節 考察
 1 隠された貧困の発見
 2 「あきらめの気分」による支配
 3 「あきらめの気分」からの脱出のために
 4 「人との出会い」と「参加」
第2節 教育とスクールソーシャルワークの連携のプロセス
第3節 子どもの隠された貧困へのスクールソーシャルワーカーの支援プロセス
第4節 子どもの隠された貧困に対してのスクールソーシャルワーカーの効果的な役割
第5節 子どもを中心とした学校の福祉的基盤づくりとソーシャルワーク
第6節 本研究の意義と今後の課題

付録1 「茨木っこプラン」作成のプロセスとSSW導入について
    茨木市教育委員会におけるヒアリング調査の記録

付録2 貧困を支援するスクールソーシャルワークの事例研究
    分析結果

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